「帝都ロンドンからみたハーレム・ルネサンス
――文化とアクティヴィズムの出会う場所」『ハーレム・ルネサンス ―〈ニューニグロ〉の文化社会批評』(松本昇監修, 明石書店, 2021, 収録.)

本論では、戦間期の英国におけるアフリカ系人のネットワークに焦点をあて、俳優・歌手ポール・ロブソンのロンドン時代、ソーホーのジャズクラブ、帝国博覧会、スコッツボロ事件の支援運動などを幅広く紹介する。帝都ロンドンでお互いを見出したアフリカン・ディアスポラたちは、人種差別や帝国主義に反対する国際主義的な運動を形成したが、黒人社会内部の差異や不協和音が表面化することもあった。